2016年9月12日月曜日

<総括2>何を学んだか―『体系的』とは―

イサカ市
何を学んだか考え始めるときりがない。MBAの学習とはどのようなものかという問いに対し、良く「ビジネスを体系的に学ぶ」と金太郎飴を切ったような回答が返ってくるが、「体系的」とは結局具体的に どういうことなのか、何だか漠としていて、少なくとも私は受験生時代、良くわからなかった。


これについては、学校へ行ってみた結果、つまるところより高い視点からビジネスを俯瞰できるようになることだと感じた。通常、仕事をしていると、「マーケティング」「財務」「オペレーション」「人事・総務」等、各部署で業務にあたる為、どうしても企業の成長戦略のような高い次元の話になった時にも「マーケティング的には」「人事的には」と自身の所属する部署の観点からものを見て考えることしかできず、果たしてそれが本当に企業全体の為に良いのかという点について盲目になりがちである。これに対し、MBAの学習とは各分野を広くカバーし、それを統合した観点から組織全体を俯瞰する力を養うものである為、「マーケティングの観点からは、黒字化できそうなこの新製品を投入するべきだ。だが、財務の観点で資金調達コストを考えると必ずしもそうではない」というような思考ができるようになる。

そして、思考するだけでなく、それを試す機会がビジネススクールには多々ある。 様々なツールを与えられた状態で、しかし果たしてそれを使って、自分だったら、そして自分達のチームだったら、何をどうするのかということが常に問われる。知識を持っていたところでそれを活用できなければ意味が無いからだ。


このようなプロセスを繰り返しながら、単に知識を得るだけでなく、それを如何に用いるか、そして一人でなく、他の人々と同じチームになった時に如何にこの共通言語を用いながらも個性を活かし、より高い成果物を作り上げるのかを訓練する。このようなことを鑑みると、やはり経営者育成に於いては極めて優れた教育手法・プログラムであると感じた。

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