2014年9月23日火曜日

<MBA講義>マーケティング・ゲストスピーカー |ドミノピザ社CMO


本日、コア科目のマーケティング・マネジメントの授業の一環で、ゲストスピーカーの実体験を聴くというセッションがあった。ゲストスピーカーはコーネル・ジョンソンの卒業生で、現・ドミノピザ社CMOChief Marketing Officer)のラッセル・ワイナー(Russell Weiner)氏。私は、一橋時代にもマーケティング専攻で、仕事もマーケティング・営業だったこともあって、心に感動の嵐が吹き荒れたので、本ブログにも記したいと思う。


さて、講義はリーマン・ショックの余波で業績が悪化していたドミノピザ社にて、画期的なマーケティング戦略を立案・実行し、V字回復を達成したというストーリーだ。
詳細な内容については、学校のSocial Media Ambassador用のTwitterに実際の講義で紹介された映像を用いながら連続ツイートでまとめたので、転載する。
http://twitter.com/CornellMBA_KO (英語)






(オマケ)
↓ドミノピザ社からのお礼


さて、内容を振り返ると、以下の3点が今回の戦略の大きなポイントかと思う。


  真逆思考
他社とはむしろ逆のことを行った。不況で業績が落ちていたにも関わらず、保守的にならず、全てを曝け出すようなキャンペーンを張った。

  継続的なキャンペーン展開
2010年時点で大きな成功を収めたにも関わらず、その後も次々と新たなキャンペーンを展開し、顧客フォローを継続した。CMの中で、”We are still listening.”というセリフが出てきたが、この言葉はまさにドミノ社の姿勢を表している。

  果敢なリスクテイク
「捨て身の攻撃」という言葉が一番似合う。顧客の文句にいちいち向き合うにはコストが掛かるし、まして顧客の声がネット上で公になる場を自ら作ることは、一歩間違うと自殺行為になる。また、従業員教育が行き届いていなければ、品質保証は不可能に等しい。経営陣に、これだけのリスクを承知で大々的にキャンペーンを張るだけの覚悟があったことが、最大の成功要因では無かろうか。
なお、質疑応答の時間に私より「このような戦略実行には個々の従業員教育が非常に重要かと思うが、どのように実施したのか」との趣旨の質問をしたら、「現在もそれは課題で、改善中」との回答だった。普通の企業であれば、まずそのような状態でキャンペーンを展開することは無いであろう。
また、他の学生が「いざという時の為の代替策はどのようなものだったのか」との質問をしたところ、ワイナー氏曰く「そのようなものは用意しなかった。我々は島で敵と戦う前に、島と陸を繋ぐ唯一の橋を切り落として退路を断ち、最後まで徹底的に戦うのを選んだ」と。

ワイナー氏のプレゼンテーションの中で特に印象に残ったのが、競合他社についてほとんど語らなかったことである。自社の商品・サービスを振返り、それを改善し、そのプロセスをも含めてどんどん開示していく ― その繰り返しだけであり、他社を意識した戦略構築は一切聞かなかった。


授業で学ぶフレームワークと、実社会で行うことは必ずしも一致しない。今回のケースも、差別化・顧客フォローについては、授業で学ぶことだが、リスクテイキング、覚悟、はたまた退路を断つことなどは、まず授業では習わないだろう。いくら素晴らしい理論を習得しても、それを活かすソフトパワーを持っていなければ、実社会で役立てることはできない。それをゲストスピーカーの実体験を元に学ぶことができるのが、このようなセッションの意義なのだと感じた。

それにしても、やっぱりマーケティングは面白い!!

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