2026年1月21日水曜日

[駐在員のひとりごと] 邦楽について


駐在員の務めとして、極力当地文化を知り理解しようと試みている。文化といっても様々なものがあるが、その一つが音楽である。日本にいる外国人駐在員やプロスポーツの外国人助っ人がJ-Popやアニソンを歌えたりすると、実に親近感を覚えるものだ。私自身もそのような存在となるべくオーストラリアの "邦楽"を聴き込んで詳しくなろうと思った訳である。ところが、オーストラリアの音楽というものがあまり聞こえてこない。

街を歩いててもそうなのだが、SpotifyでAustralian Top50のようなプレイリストをかけてみても、聞こえてくるのはTaylor Swift・Olivia Dean・Blackpink等、海外の音楽ばかりだ。一体、これはどういうことなのか。

調べてみると、世界各国のSpotifyユーザーがどの程度自国の音楽を聴いているのかを横比較する極めて興味深いデータと分析にかかる記事があった。画像のグラフは2025年Spotify再生回数Top200曲に占める自国の曲 (すなわち"邦楽") ならびに他国の曲のシェア内訳を示しており、"邦楽"シェアが高い順に世界73ヶ国・地域が並んでいる。トップ3はインド・トルコ・ベトナムで、日本は81.0%で5位につけている。たしかに、2025年はMrs. GREEN APPLEが日本社会を席巻しており納得の結果だ。また、韓国は77.4%で7位でK-Popの人気ぶりを踏まえるとこちらも納得感は高い。

Source: Skoove ( https://www.skoove.com/blog/spotify-local-vs-global-music )

さて、そして気になるオーストラリア。上位には出てこず、グラフをずっと下っていき…

Source: Skoove [https://www.skoove.com/blog/spotify-local-vs-global-music/]

ようやく73ヶ国中57位 ("邦楽"割合4.7%) として現れた。

このデータによると、オーストラリアでは聴かれている曲の69.1%がアメリカ、14.8%がイギリス、6.4%がカナダのものとなっており、英語圏の音楽が広くオーストラリアにて受け入れられている様子がうかがえる。

ただ、逆にオーストラリアの音楽が他の英語圏の国にて聴かれている様子は無く、オーストラリアでは自国でも他国でもあまり流通することがないほどに音楽産業が未成熟であると読み取れる。

もっとも、どのような国が音楽におけるいわば覇権を握っているのか、データの解釈はなかなか難しい。旧宗主国が大きな影響を及ぼしていると思えそうなものだが、イギリスやスペインの存在感が限定的で、それどころか自国内においても"邦楽"割合が40%を切っていることを踏まえるとそうともいえない。ただ、上位各国を見る限りは少なくとも"邦楽"割合の高い国において以下二点は共通した条件であるようにみえる。

  1. 固有の言語を持っていること (あるいはアメリカ・ブラジルのように属する言語圏内で圧倒的な人口と経済の規模を持っていること)
  2. 音楽を産業として支えるに足る大きさの市場・経済力を持っていること

以前から日本では「邦楽はなんだかダサい。洋楽がカッコいい」というような風潮があったと思うし、私自身もその思想に毒されて10代・20代の頃などはカッコつけたいばかりにアメリカの音楽に傾倒したりしていたが、独自の音楽文化を持っていて、それが産業として成立しているのは素晴らしいことである。ニッチなオーストラリア音楽を探しつつ、胸を張ってJ-Popを聴き込んでいきたいと思う。

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