2014年8月1日金曜日

序 -K点 Kritischerpunkt-



K点」とはスキージャンプ競技に於いて飛距離の目安となる点を示す競技用語である。競技用語である一方で世間一般にも普及しており、 何か極めて大きなことを達成した際に「K点を越えた」という表現を使うことで馴染み深い。

ジャンプ台では、着地面(「ランディングバーン」)の傾斜が踏切地点から徐々に深くなっていき、K点付近で3035°とピークを迎えた後、再び水平に向かって徐々に浅くなっていく。助走路(「アプローチ」)でスピードに乗った選手は、アプローチの先端(「カンテ」)で踏み切った後、ランディングバーンに沿うように滑空し、着地する。この時、K点以遠に於いては、ランディングバーンの角度が徐々浅くなっていく分着地時の衝撃が増す。つまりK点を越えて遠くへ飛べば飛ぶ程着地が難しくなるのである。

Olympicstats.com より転載


ジャンプ選手の技術ならびにその用具の性能は近年目覚ましい進化を遂げている。特に、1990年前後にV字ジャンプが発明されて以降、技術が飛躍的に向上した。V字ジャンプの導入によって、空中に於ける垂直方向への空気抵抗が増したことにより、落下スピードは大幅に低下し、結果着地時の衝撃が大幅に減少した。わかりやすく言うと、選手は空中でスキー板をV字に広げることで、グライダーのようにゆっくりと滑空することが可能になり、着地時の危険が大幅に減少したのである。これに伴って、選手はK点を越えても難なく着地できるようになった。

K点とは、元々はドイツ語で「極限点」を意味するKritischerpunkt(英語:Critical Point)の略であったという。文字通りこれ以上飛んでは危険だという飛距離の限界を示す点である。ところが、飛行技術の革新に伴い、K点はいつしか飛距離の極限を示す点から、飛距離の標準を示す点にその役割が変わってしまった。名称自体も「建築基準点」を意味するKonstruktionspunkt(英語:Construction Point)となった。なお、かつての「極限点」としての意味は、2004年よりK点より遠くに設定された「ヒルサイズ(HS)」が継承している。

私は、20148月よりアメリカのコーネル大学ジョンソン経営大学院MBAコースに留学している。コーネル大学はアメリカ東海岸の伝統的名門校郡・アイビーリーグの1校であり、私にとってはずっと雲の上のような存在だった。実際、受験を意識してから入学するまでに実に3年を要し、入学すること自体が私の「極限点」だったと言える。現在もまた、日々ビビりながら学校へ向かい、優秀なクラスメイト達に必死にしがみつきながら何とか振り落とされないように付いて行っているような状態だ。

しかし、努力を重ねることで、いつのまにかコーネルが「極限点」であったことなど忘れ、振り返ったら私の人生に於ける「基準点」になっていたと思えるよう、自分自身が飛躍的な成長を遂げたい。そんな思いで本ブログのタイトルとした次第である。

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