台北では、会社が日本で建設・販売するマンションを台湾人顧客に販売するのが仕事だった。日本のマンションなど台湾人が買うのかと思われるかも知れない。ところがどっこい、台湾ではこれが人気だった。台湾では不動産投資熱が高く、富裕層を始め多くの人々がマンションや土地を購入し、資産として保有している。しかし、あまりにもその熱が高い為、価格が高騰し、現地メディアによると「台北の住宅用不動産は世界で一番投資効率が悪い」という状態になっている。
そこで富裕層が次に目を付けたのが隣国・日本だ。日本の不動産はバブル崩壊と共に価格が暴落して以降、景気の低迷・リーマンショック・地震等の結果、目立った値上がりが無く、その経済規模を鑑みるとお買い得だ。アベノミクスで経済が好転していた他、円安が進み、台湾ドル換算だと価格は民主党政権時代よりも3割近く安くなっていた。加えて、日本は政情・治安リスクが世界的に見ても非常に小さい。何より、台湾人にとって日本は心理的距離も物理的距離も圧倒的に近い。観光客数を例にとっても、台湾の人口はわずか2,000万人強ながら、年間訪日観光客数は200万人を超える。
そこで富裕層が次に目を付けたのが隣国・日本だ。日本の不動産はバブル崩壊と共に価格が暴落して以降、景気の低迷・リーマンショック・地震等の結果、目立った値上がりが無く、その経済規模を鑑みるとお買い得だ。アベノミクスで経済が好転していた他、円安が進み、台湾ドル換算だと価格は民主党政権時代よりも3割近く安くなっていた。加えて、日本は政情・治安リスクが世界的に見ても非常に小さい。何より、台湾人にとって日本は心理的距離も物理的距離も圧倒的に近い。観光客数を例にとっても、台湾の人口はわずか2,000万人強ながら、年間訪日観光客数は200万人を超える。
さて、そんな訳で、私の職場では日本のマンションを次々に販売していた。結果、顧客の物件案内や取引の為、頻繁に東京へ帰っていた。
そんな中、先般落ちたばかりの志望校Tuckの日本人向け説明会がたまたま出張期間中に東京で開かれることを知った。もはやMBA留学を半ば諦めていたことに加え、仕事は楽しかったし、台湾も大好きだったので、受験への意欲は正直に言って失われていたが、Tuckのことは好きだったし何となく行ってみることにした。
何気なく行ったこの説明会がきっかけで、私は受験生活に復帰することとなる。
説明会のプレゼンテーションや在校生・卒業生の話を聴いているうちに、6ヶ月前に現地で体験した興奮や高揚感が鮮明に蘇ってきた。 ― 一度決意したMBA留学、本当にここで諦めてしまって良いのか。落ちたとは言え1年以上その為にリソースを費やしてきたじゃないか。単なる逃げじゃないのか。本当にここで諦めてしまっていいのか ― 説明会中に自問自答を重ねた。当然答えはNoだ。
また、ビジット時に現地で温かく迎えてくれた当時の在校生の1人が、説明会に卒業生として参加していた。彼女には、他校を含めた私の凄惨な受験結果、そして台湾に転勤になったこと、そしてもうMBA留学は無理だと感じているということ等を洗いざらい話した。すると次のような返事を返してくれた。「それはカウンセラーの問題だ。私の知り合いにちょっと前までTuckのアドミッションをやっていて独立したカウンセラーがいる。その人だったら絶対に信頼できるから紹介したい。ただし、一方でGMAT690, TOEFL102のスコアだと受からないわけではないけれど、Tuckの平均には満たない。ここはスコアを上げるに越したことはないので、もう少し頑張ってみてはどう?」
それまでの件で、私はカウンセラー不信に陥っていたので、この時もどうしたら良いものかと思っていたのだが、結局紹介してもらうこととした。話を聞いてみると、価格は1校目が約30万円、2校目以降は1校あたり約10万円と、先般の日本人カウンセラーの全部込みxx万円と比較すると圧倒的に高い。加えて、先方がハノバー在住なので基本的に会うことはできない。にも関わらず、結局私はこのカウンセラーに依頼することとした。全く懐疑的なことに変わりはなかったが、そうは言っても受験戦略の何を変えたら良いのかさっぱりわからなかったし、今回は信頼ある在校生の推薦もあるのでまだ安心できる。そして実際にアドミッションチームのメンバーとして選考に携わっていたというのは心強い。物理的な距離については、そもそも自分が台北にいるのだから日本にいるカウンセラーに依頼しても会えないことに変わりはない。
この紹介・決断もまた、後に私の受験に於いて決定的な役割を果たすこととなる。紹介してくれた卒業生には今でも感謝に絶えない(と言うか、今でも会ってもらっている)。カウンセラーはNorth Star Admissionsを一人で経営するKaren Marks氏という。
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