冬休みが終わり、早くも春学期( セカンドセメスター)が始まった。春学期とは言っても、イサカの冬はまだまだ寒い。氷点下10度前後の日がコンスタントに続き、酷い時は-20度を下回る外にいるだけで身の危険を感じるような日もある。
さて、今学期より、ジョンソンの看板プログラムである「イマージョン」が始まった。
イマージョンとは、ファイナンス・マーケティング・オペレーション等の全7分野に於いて各分野に特化した実践教育を行うことにより、学生がこれまでに得たインプットをアウトプットに発展させる為のプログラムである。具体的にはグループワーク・企業訪問・コンサルティング等を行う。看板プログラムであるイマージョンの中でも特に評判が高いのが「サステイナブル・グローバル・エンタープライズ」(以下、SGE)で、ビジネスとサステナビリティの両立をテーマに実際の企業を相手にコンサルティングを行うこととなる。サステナビリティは前職ではあまり馴染みが無いテーマであったので、私はこのSGEイマージョンを選択した。
ここまでの内容からだと、「なんだ、そんなプログラムはどこの学校でもやってるじゃないか」と思われるかも知れない。だが、実際には本気度が俄然違う。まず、クライアント企業がEmerson(米国)・Yingli(中国)・COMACO(ザンビア)・Cheetah
Conservation Fund(ナミビア)等、世界中から集まっている。そして、そのクライアント企業は学校から頼まれて渋々引き受けている訳ではなく、むしろ学校に費用を支払っているので要求水準が極めて高い。
私は韓国の化粧品会社 Amore
Pacific 社のプロジェクトに入ったのだが、先方の役員の関心が非常に高いそうで、
学校に来てくれた担当者が「2週間に一度役員に進捗状況を報告しなければいけない」と、戦々恐々としていた。最終発表には CEO, CMO等も来るとのことだ。
また、担当のMarkMilstein教授のエネルギーも凄い。クライアント企業の担当者は学期始めの「キックオフ・ミーティング」に参加が必須だったが、2・3社の担当者が直前になって欠席連絡をしてきた。その連絡を受けた先生は彼らを叱り飛ばしたとのことだ。いくら費用負担してもらっているとは言え、学生にとっての学びを最大化させることが目的なので、それを守らない企業に媚びるようなことはしないというのがポリシーのようだ。
なお、Milstein教授はかつて外務省のJETプログラムで日本に長期滞在したことがあり、5月に予定されているジャパントレックの担当でもある知日派だ。日本滞在中は長崎の小島にいたそうなのだが、浜に大量に漂着するゴミが気になったことがサステナビリティの分野に興味を持った一つの理由らしい。なお、その際何とかしなくてはと町役場へ訴えたところ「そんなに気になるなら自分で拾え」と言われてゴミ袋を渡され、本当に自分で拾って歩いたそうだ。。。
蛇足だが、SGEイマージョンを受講している学生の3割はコーネル大学の他の大学院から来ている学生だ。私のチームにも、公共政策大学院(Cornell Institute for Public Affairs)から来ているメンバーがいる。彼らにとっては、MBA生というのは「マネーばかりを気にする」ように映るらしい。なるほど、ジョンソンだけにいると気づかないことだが、世間からはそう見えているということなのだろう。
イマージョンで今学期は非常に充実しそうな訳だが、他の授業も当然あるわけで、課題が物凄い勢いで出まくっているので、何とかうまく捌いて…いけるといいなあ。
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