2019年10月26日土曜日

川崎フロンターレ GK 新井章太選手について



ルヴァンカップ決勝、現地で観る機会に恵まれたが、何とも素晴らしい試合で興奮冷めやらない。MVP はPKを2本止めた川崎GKの新井章太選手。これについて全く異論はないと思う。


MVPに輝いた新井選手。想像以上の苦労人だ。
新井選手はそもそも川崎の正GKではない。正GKは元韓国代表の鄭成龍選手で、新井選手が試合に出てきたのは鄭選手がスランプに陥ったここ数試合だ。

その新井選手、国士舘大学卒業後東京ヴェルディへ。しかし本人曰く「クビに」なり、フロンターレへ。最も、三顧の礼をという訳でもなく第4GKというほぼ出場機会の無いポジションで加入。正GKには元韓国代表・鄭成龍選手が立ちはだかる。
本人も「僕なんか誰も知らないし、写真を撮っても誰も喜ばないですよ」等と言っていたそうだ。


実際、ほとんど出場機会を得られないないまま、クラブは2017年の川崎初優勝を迎える。新井選手は出場機会がほとんど無かった。しかし、優勝を決定づけるゴールが決まると真っ先に得点を決めた長谷川竜也選手に抱きつくなど、ベンチからもチームの盛り上げ役としての役割を果たす。



クラブが常勝軍団になった後も引き続き鄭選手が正GKとして活躍していたものの、突如今年調子を崩した。その補完役として抜擢されたのが新井選手だった。そうして迎えたルヴァンカップ決勝。PKを2本止めてMVPに。


どんなに一生懸命取り組んでも、報われるかはわからない。むしろ報われない事のほうが多い。神様はきっと見てくれていない。何年も何年も努力を重ねても正GKになることはできない。サッカーで試合に出られるGKは1人しかいない。たまたま試合に出られても活躍できるとは限らないし、GKが試合を動かすことも難しい。

でも、本当に努力に努力を重ねていれば、ひょっとしたら気まぐれな神様はどこかで見ていてプレゼントをくれるのかも知れない。



新井章太選手が、味方が一本外した絶体絶命の中、PKを止める



続けて、もう一本PKを止め、優勝を決めた


なんて素晴らしいドラマなのだろう。第4GKとして加入した選手が、試合を動かし、クラブを優勝へと導いたのだ。神様はどこかで新井選手を見ていてくれたのかも知れない。


新井選手の活躍にも、川崎の選手の不屈の精神にも、そして札幌の選手の闘志にも感動した素晴らしい試合だった。
スポーツは試合終了まで何があるのかわからない。そんな醍醐味を教えていただいたような素晴らしい試合だった。

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