2015年1月22日木曜日

<受験14>Karen



カウンセラーKarenに完全不合格だった過去の出願・エッセイ内容を洗いざらい話したところ、不運を嘆く以前にそもそも受かる内容になっていないとの指摘が返ってきた。具体的には次のような点だ。


  将来のゴールに関するエッセイ内容が特殊過ぎて、ビジネススクールで学ぶことがどのようにゴール達成に貢献するのかがアドミッションがイメージできない。本心ではなくても良いから、アドミッションにとってわかりやすいゴール設定にすべき

  テストの点数が低い。受からない点数ではないものの、社費という強力な武器が無い以上、少なくとも平均は取るべき

  レジュメに魅力が無さすぎる。自分がやってきたことを矮小化せずに、営業・人事・海外ビジネス等の多様な経験を自信を持ってアピールすべき。会社がグローバル企業であるか無いかなど関係無い

彼女の戦略は明快だった。アドミッションは大量の出願全てに目を通す為、応募者一人に費やすことのできる時間は非常に短い。まずはそんな短時間の中でも目を引く出願内容に仕上げなければならない。尚且つ「この候補者は良いのではないか」と自信を持って他のアドミッションスタッフに意見できるよう、出願校の利益にも適うことを「わかりやすく説明してあげる」必要がある。

私、それまで担当した新卒採用についても台湾でのマンション販売についても、自身が決裁権を持っていた訳ではなく、あくまでも上司や会社の力の下で仕事を行ってきた為、自身がプロジェクトリーダーであったとしても「○○という業務を推進した」という体で書いてきた。ところが、Karenの意見は、「決裁権があろうと無かろうと、実際に現場でその業務を実行したのはあなた自身なのだから、その通り書かなければならない。決裁権など気にしていたら、社長になるまで永遠に良いレジュメもエッセイも書けない。」とのことだった。

これは文化の違いというものだろう。だが、アメリカのビジネススクールを受験する以上、彼らの流儀に合わせざるを得ない。他の応募者が自信たっぷりの素敵なレジュメやエッセイを書いてきている中、日本人の謙遜の流儀を押し通しても、それを評価してくれることはない。バブル期にはそれでも日本人を採ってくれたかも知れないが、今や日本人は世界各国から押し寄せる大勢の応募者の中の”One of them”でしかないのだ。自分が、如何にアメリカ人を含む世界中の応募者と比べて魅力的なのかを伝えないと、合格させてもらえない。

エッセイについては、私は短期・長期の何れのゴールについてもスキージャンプについてのみ書いてきたが、アドミッションにはあまりにも馴染みのないゴール設定の為、短期ゴールとして「戦略コンサルタント」はどうかと提案された。戦略コンサルタントはMBA生の卒業後の進路として人気であることから、ビジネススクールがそのマーケティング戦略上、卒業生に進んで欲しいと考えている職業No.1なのだという。したがって、それを目指す学生を多く欲しがるとのことだった。


ここまでの話からも分かる通り、Karenのアドバイスは基本的にアドミッションの立場を踏まえたものだった。レジュメ・エッセイの他にも、インタビュー対策が印象的だった。インタビュー対策と言えば、私は何を聞かれても瞬時に完璧に答えられるようになる為の「千本ノック」的なものをイメージしており、彼女にそのようなトレーニングを期待していた。ところが、数回Skypeで模擬インタビューを行うと「Enough.」と、それ以上受け付けてくれなかった。私は不安でたまらなかったので、トレーニングを完璧になるまで行いたい旨を伝えたのだが、次のような返事が返ってきた。「インタビューをする側は、あくまでも応募者と本音のコミュニケーションを取りたいと思っている。にも関わらず、質問に対してテープレコーダーを流しているような機械的な返事が返ってきたら、全く本音を聴けているように思えない。別に英語を間違えても構わない。あくまでも質問に対して本音で返して欲しいのだ。あなたはその点をもうクリアしているからこれ以上練習はいらない。これ以上やると、逆効果になる。回答を暗記して返答することは、私には暗記しか能力がありませんよと言っているようなものだ。」


結局、不安を抱きつつも彼女のアドバイスに全面的に従って2年目の受験に臨んだ。

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